離婚- 法律コラム・最新判例 -

(法律コラム:離婚・その他)住民票を異動できない事情の方とマイナンバー

 

前回の法律コラムでは、DVなどの理由で住民票の住所地に居住していない方の場合の居所情報登録申請書の提出について、ご説明しました。

 

しかし、夫婦別居されている方の中には、DVには該当しないが、住所を現在の居所に異動できない事情の方も少なくありません。
そのような方の場合、たいていは郵便物の転送届を提出されているようですが、今回、通知カードが送付される簡易書留では、転送はされず、通知カードは、そのまま自治体に戻されてしまうようです。

 

配達できなかった通知カードは、住民票のある市区町村で少なくとも3ヶ月は保管され、その後破棄されます。
3ヶ月以内は、市区町村の窓口に行けば、カードを受け取ることができます。
その後も、住民票のある市区町村で通知カードを再発行してもらえます。

 

(弁護士村松いづみ)

(法律コラム:離婚・その他)DVとマイナンバー制度

 

本年10月5日から、いわゆるマイナンバー法が施行されます。

 

個人情報との関係では、色々と問題が多い法律で、現在、これについての訴訟も起こっています。
他方、離婚事件などにおいて、マイナンバーに関する法律相談も少しずつ目立っています。

 

マイナンバーが記載された通知カードが、市町村から住民票上の住所(住所地)に世帯ごとに簡易書留で送付されることになります。

 

そこで、やむを得ない理由により住所地において通知カードを受け取ることができない人の場合については、実際住んでいる居所において通知カードを受け取るためには、住民票のある住所地の市区町村に対し、居所情報を登録する必要があります。
但し、申請期間が、8月24日から9月25日までなので、あまり時間がありません。

 

国が「申請が必要な方」として、例示しているのは、
●東日本大震災による被災者で住所地以外の居所に避難されている方
●DV、ストーカー行為等、児童虐待等の被害者で住所地以外の居所に移動されている方
●一人暮らしで、長期間、医療機関・施設に入院・入所されている方

 

申請書は、近くの市区町村や総務省のホームページなどで入手又はダウンロードできます。
夫からDVを受けて避難されている方は、速やかに申請書を提出しましょう。

 

マイナンバーのお問い合わせは、コールセンター:0570-20-0178へ。
あるいは、住民票の住所地の市区町村にお問い合わせください。

 

(弁護士村松いづみ)

(法律コラム:離婚・その他)元夫が破産したら、養育費はどうなるのか?(非免責債権)

 

離婚に際し、養育費の取り決めをしたのに、離婚後、元夫が自己破産をした場合、その養育費はどうなるのでしょうか?

 

債務超過で自己破産の申立をし、裁判所で破産原因があると認められれば、破産手続き開始の決定がなされます。

そして、裁判所は、最終的に、特に悪質な事案でない限り、「免責」と言って、破産者の残った借金をチャラにしてくれます。

債権者にとっては酷なことでしょうが、破産者の更生のために法が認めた制度です。

 

しかし、法は、破産者に免責決定が出ても、それでもなお免責されない債権をいくつか定めています(非免責債権、破産法253条)。

税金や横領した場合の損害賠償金などがその代表例ですが、離婚に伴う子どもの養育費も免責の効果が及ばないものとして除外されています。

養育費のほか、婚姻費用分担金などは要保護性が強い請求権であることから非免責債権とされているのです。

ですから、堂々と取り立てることができるわけです。

 

(弁護士村松いづみ)

 

 

(法律コラム:離婚)別居中の自宅建物の使用について

 

夫婦の一方が自宅を出て別居することになった時、残された配偶者は、その自宅に住み続けることができるか、ということが問題となる場合があります。

 

まず、自宅不動産が夫婦共有名義であった場合にはもとより、一方の配偶者(特に、別居して出ていった方)の単独名義であったとしても、結婚後に二人で購入したような場合には、離婚まででなく、財産分与の合意が成立するまでは、住み続けることができます。

 

では、自宅が元々、一方の配偶者(別居して出ていった方)の固有財産(特有財産)であった場合は、どうでしょうか。

判例は、婚姻関係が続く限り継続して住むことができる、としています(東京高裁昭和31年7月16日決定)。

しかし、暴力等を行うDV配偶者が自宅に住んでいる場合には、婚姻中であっても、明け渡しや賃料相当損害金を認めた判例もあります(東京地裁昭和61年12月11日判決)。

そして、離婚した成立した後には、明け渡さないと、占有者は賃料相当損害金を払わなければならない可能性もあります。

 

(弁護士 村松いづみ)

 

 

 

(法律コラム:離婚)クラブママが夫に「枕営業」、妻の賠償請求を棄却(東京地裁)

 

「枕営業」・・・そんな言葉があることを知りませんでした。

 

数ヶ月前、テレビのワイドショーや週刊誌などで、東京地裁が昨年(平成26年)4月14日に下した判決が取り上げられました。

 

クラブのママやホステスの中には、自分を目当てとして定期的にクラブに通ってくれる優良顧客や、クラブが義務付けている同伴出勤に付き合ってくれる顧客を確保するために、顧客の明示的又は黙示的な要求に応じるなどして、当該顧客と性交渉をする「枕営業」と呼ばれる営業活動を行う者も少なからずいると言われているようです。

 

本件は、クラブのママに対し、Aの妻が、Aと7年余りにわたって不貞行為を継続したとして損害賠償を請求した事案でした。

クラブのママは、不貞関係を否定して争いました(本人訴訟)。

 

この判決は、夫とママとの間に不貞関係があったかなかったかは判断せず、「仮に、本件不貞行為の存在が認められるとしても」と仮定し、これは、典型的な「枕営業」に該当するとした上で、

 

「クラブの代金を支払う中から間接的に『枕営業』の対価が支払われているものであって、ソープランドに勤務する女性との違いは、対価が直接的なものであるか、間接的なものであるかの差に過ぎない」

「売春婦の場合と同様に、顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではない」

 

などと判示しました。

 

夫がクラブのママやホステスと性的関係を持ったとしても、夫婦の平和を害するものではないとしたことも驚きですが、クラブの飲食代金の中に「間接的に」性交渉に対する対価も支払われているという認定にも驚かされます。

 

何と男性に都合の良い判決なのでしょうか。

その上、「売春婦と同様」とか「クラブの代金の中に性交渉の対価が含まれている」などとは、クラブのママやホステスに対しても、きわめて無礼な判決ではないでしょうか。

 

残念ながら、妻が控訴しなかったため、この判決は確定してしまいましたが、このような判決は決して裁判官の一般的な感覚ではなく、レアな判決だと思います。

また、社会通念からもかけ離れた判断だと思います。

 

(弁護士村松いづみ)

(法律コラム:離婚)親族との不和

 

「嫁姑問題」などは、親族の不和の代表的なものでしょうね。
ただ、「嫁姑の折り合いが悪い」というだけの理由で、夫婦のどちらかが離婚を求めても、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当然に該当するわけではありません。
だって、結婚したのは、あくまで当事者の夫婦なんですから。

 

でも、配偶者の一方がその親族に加担したり、間に立つべき配偶者が親族の不和を解消する努力を怠った場合には、夫婦間の不和に発展し、離婚原因になり得ることがあります。

 

いずれにしても、配偶者が他方配偶者の親族とうまくいかない場合には、夫婦の間で、例えば、同居しているような場合には別居も含めて、色々方策を話し合う努力が大切ですね。

 

なお、とりわけ親族と同居しているような場合で、親族から暴力や暴言などがある場合には、その親族に対し直接、慰謝料を請求することができるケースもあるでしょう。

 

(弁護士村松いづみ)

(法律コラム:離婚)浮気の証拠の収集方法には注意を!

 

2015年4月13日付け法律コラムで、妻のスマホに無断で遠隔地捜査アプリを入れた夫が逮捕されたという事件について書きました。

報道上では、夫の目的はわかりませんが、妻の行動を監視しようとしていたのでしょうか・・・?

 

配偶者の浮気の証拠として、相談者が持って来られる一番多い物は、携帯電話のメールの記録です。

携帯電話の普及により、浮気がしやすくなったとともに、浮気が発覚しやすくもなったと思います。

 

配偶者の携帯電話やパソコンの受信メールを開いて読んでも、それで逮捕されたり、裁判所が問題にしたりしたことは聞いたことがありません。

 

でも、次のようなケースは、妻が逮捕されたそうです。

その妻は、夫の携帯電話をこっそり操作して、夫の浮気相手から夫に届くメールを自分のパソコンに転送されるように設定しており、それが「不正アクセス禁止法違反」となり、逮捕されてしまったそうです。

すごいですね。

私は今でもどうやったら、こんなことができるのか、どのような携帯電話でもできるのか、よくわかりません。

 

いくら配偶者が浮気という許されない行為をしていたとしても、その証拠をつかむ方法には自ずと限界があるということですね。

気を付けましょう。

 

(弁護士 村松いづみ)

 

 

 

 

 

 

(法律コラム:家事)電話会議システムによる調停手続期日

配偶者と離婚したい。

配偶者に婚姻費用を請求したい。

でも、今は配偶者と別居していて、遠いところに住んでいる。

配偶者の住んでいる土地の管轄裁判所まで、出頭することができない――

 

家事調停を申し立てる場合の管轄は、

相手方と特に合意がない限り、

相手方の居住地を管轄する家庭裁判所と定められています。

そのため以前は、

配偶者と離婚したくても、遠方の家裁まで出頭する負担が重いために、

調停申立て自体をためらってしまうという上記のようなケースも多かったと思います。

 

平成25年1月1日、家事事件手続法という法律が施行され、

「当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるとき」には、

裁判所が許可すれば、電話会議やテレビ会議システムの方法を用いて、

調停手続期日を行うことができるようになりました(家事事件手続法54条1項、258条)。

この方法によって、離婚又は離縁調停を「成立」させることはできませんが(同268条3項)、

成立以外の場合であれば、電話会議やテレビ会議システムの方法で期日を行うことができます。

つまり、遠い家庭裁判所まで毎回出頭しなくても、調停をすることができるということなのです。

 

調停はあくまで話し合いの場なので、

電話会議やテレビ会議システムの方法は必ずしも認められる訳ではなく、

家庭裁判所が判断することになります。

ですので、これらの方法を使いたい場合には、

なぜ遠方の裁判所に出頭することができないのか、

なぜ電話やテレビ会議でなければいけないのか、ということを具体的に説明して、

裁判所に許可を求めたほうがよいでしょう。

具体的事情とは、例えば、交通費の負担が過大であるとか、

出頭に要する時間帯に、お子さんを見る人がいないなどの事案で、

電話会議システムの方法によることが認められています。

但し、各裁判所の判断であるため、申立てをする裁判所によって

かなり対応が違うこともあるようです。

 

管轄がネックになって、調停申立てを諦めることがないよう

上記のような場合はぜひ一度弁護士にご相談いただけたらと思います。

 

(弁護士 日野田 彰子)

(法律コラム・離婚)浮気の調査費用の請求

 

これまでの本コラムで、配偶者の浮気調査で探偵さんを利用することについて、数回書いてきました。

 

大切なことは、探偵さんを頼む場合には、どのような仕事を依頼して、いくら払うのか、それは結果についての文書作成代も含むのかなど、しっかり説明を聞いた上で契約することです。

多額の調査費用を支払っても、証拠が取れなかったり、探偵さんに慰謝料などを上回る調査費用を支払うことになれば、探偵さんに頼んだ意味がありませんものね。

 

そこで、裁判所が、探偵の調査費用について、損害として認めているのかどうか調べてみました。

 

判例は、浮気の証拠をつかむために探偵に頼むことが必要だった場合には、調査費用を損害として認めているようです。

 

ただ、損害として認められた場合でも、その金額は、調査費用の全額ではなく、裁判所が「相当」と判断した金額となります。

例えば、東京地裁2013年5月30日判決では、調査費用207万9000円のうち、裁判所が損害として認めたのは10万円でした。

 

(弁護士村松いづみ)

 

 

(法律コラム:離婚)「預貯金の財産分与」で気を付けることなど

 

婚姻中に貯めた預貯金については、夫・妻のどちらの名義であっても、実質的な共有財産として財産分与の対象となります。

 

基本的には、別居時点での金額が財産分与の対象となります。

しかし、中には別居する直前に多額の金を引き出している場合もありますので、別居時点だけではなく、それ以前の過去の出金についてもチェックした方が良いですね。

 

通帳を一方が管理していて見ることができない、あるいは別の金融機関に預けている疑いがある、そんな場合、訴訟になれば、調査嘱託という方法で、裁判所を通じて金融機関に問い合わせをすることができます。

調査するには、最低、銀行名と支店名までは、特定する必要があります。

 

また、多くの金融機関は、記録を10年間しか保存していないと言って、10年より前の記録は提出されません。

10年以上別居を続けている夫婦だと、いざ離婚しようとした際、調査が難しくなることは覚悟してください。

 

更に、最近は、ネット銀行を利用している人もいますので、そこもチェックポイントですね。

 

(弁護士村松いづみ)