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(法律コラム:少年・刑事)子どもが逮捕された!~いつになったら家に帰れる?~

自分の子どもが逮捕された、と連絡がきたら、大抵の親御さんはとても動揺されます。特に、子どもが学校に通っていたり既に就職していたりする場合、いつ家に帰ってこられるのか、日常生活に戻れるのか、とても心配になることと思います。まずは、未成年の子どもが逮捕された後、身体拘束がどのようになされていくのかをご説明しましょう。
1.逮捕
まず、逮捕されれば、未成年の子ども(以下、「少年」といいます)は捜査機関により身体拘束されることになります。
しかし、必ずしもその後長期間にわたって身体拘束がされるとはかぎりません。逮捕されて2日間は身体拘束するかどうか、未定の状態です。
警察官は、2日以内に少年を検察官に送り、検察官が裁判所に身体拘束を求めるかどうかを決定します。ここで、身体拘束を求めると決定し、請求がなされ、裁判所がこれを認めると、その後数週間にわたって身体拘束がなされることになるのです。
身体拘束を求めないとの決定がなされた場合は、2日以内には帰宅することが許され、在宅のまま捜査がなされることになります。
2.勾留、勾留に代わる観護措置
では、長期間の身体拘束が決定された場合、少年はどのように処遇されるのでしょうか。
少年の場合、身体拘束には成人と異なるいくつかの種類があります。
成人の場合は「勾留」の1種類のみですが、少年の場合は「勾留に代わる観護措置」が可能ですし、「勾留」される場合でも勾留場所を少年鑑別所とすることができます。
従って、少年が少年鑑別所に身柄を置かれている場合、勾留されているのか、勾留に代わる観護措置なのか、はたまた既に家庭裁判所送致後なのかが分かりませんので、必ず確認をする必要があります。
勾留又は勾留に代わる観護措置がとられた場合、少年の身体は10日~20日間拘束されることになります。
3.家裁送致
その後、捜査の結果少年が犯罪行為を行っていない(嫌疑なし又は不十分)ことが判明すれば、少年の身体拘束は解かれ、家に帰ることができます。
しかし、何らかの犯罪行為があったと捜査機関が考えた場合、必ず少年は家庭裁判所に送致されることになります(全件送致主義)。成人の起訴猶予に相当するような処分はありません。
それでは家庭裁判所に送致された後、身体拘束はどうなるのでしょうか。
この点、家庭裁判所に送致されたからといって、必ずしも身体拘束が継続するとはかぎりません。家庭裁判所が、新たに観護措置決定をして初めて、身体拘束の継続が確定するのです。
しかしながら、捜査段階で既に身体拘束がなされている少年については、8~9割の確率で新たな観護措置決定がなされますので、十分に注意しなければなりません。その場合、身体拘束はさらに3~4週間継続することになります。
4.捜査段階での弁護人の活動
少年が逮捕された場合、捜査段階ですぐに弁護人をつけた方がいいのでしょうか。
特に少年が学校に通っていたり、就職している場合、長期にわたる身体拘束は退学や解雇につながる可能性が高く、なるべく早期に拘束を解かれるようにしなければなりません。また、初めての逮捕により精神的に追い詰められているような場合にも、身体拘束を早期に解き、自宅で少年を保護してあげる必要があります。
捜査段階での弁護人は、このような少年について、まずは勾留等の決定をせずに在宅捜査するように訴えかけ、勾留等がなされても期間を短くするように訴えかけ、さらに家庭裁判所送致がなされても、観護措置決定がなされないように訴えかける活動をします。
また、そもそも犯罪行為をしていない場合には、家庭裁判所に送致するなと訴える活動をすることもできます。
一刻も早く少年の身体を解放し、自宅に帰ることができるようにするためには、できる限り早い段階で弁護人を選任した方がよいでしょう。

(弁護士 日野田彰子)

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