その他- 法律コラム・最新判例 -

(法律コラム・その他)事実婚の妻の権利

結婚式や披露宴を盛大に行っても、婚姻届を提出しなければ法律上の婚姻は成立しません。社会的には夫婦として生活を続けてきたが、届け出がなされていない場合を「内縁」あるいは「事実婚」と呼びます。

1枚の紙切れの違いかもしれませんが、法律上は不利益も少なくありません。

例えば、夫が死亡しても、内縁の妻には相続権はありません。また、生まれた子どもも母親の戸籍にはいり、父親との関係は「認知」という手続きがなければ法律上発生しません。

ただ、それではあまりに実質的な関係を無視した結果となるので、例えば、正当な理由なく一方的に内縁関係をやめた者に対しては、離婚と同じように慰謝料や財産分与を請求できる扱いになっています。
また、労災で死亡した場合の遺族補償年金を受け取ることや厚生年金保険の遺族年金を受け取ることも法律で認められています。

ところで、別に法律上の妻のある男性と内縁関係になった場合はどうでしょう。

このような場合に一般に保護されるのは、法律上の妻とは事実上離婚状態となって婚姻関係が修復する余地のないほど形骸化し、他方、内縁関係の方は事実上婚姻と同様の状態にある場合に限られるでしょう。

                                   (弁護士村松いづみ)

(法律コラム・その他)任意後見制度

 

将来、認知症など自分の判断能力が低下した場合、財産の管理はどうなるんだろうと不安を感じることがあると思います。
そんな場合に備え、あらかじめ信頼できる人との間で、自分の生活や財産管理などを委ねる契約を結んでおく「任意後見」という制度があります。

 

まず、最初に、信頼できる人との間で、「任意後見契約」を結ぶ必要があります。
後見人の資格には、特に制限はありません。
契約は、公証人が作成する公正証書でする必要があります。契約が成立すると、公証人は、任意後見契約の登記を嘱託することになります。

 

任意後見契約の効力が生ずるのは、実際に本人に精神上の障害が生じ、本人や配偶者などからの申立により、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時からです。
任意後見監督人は、任意後見人の事務を監督して、不正や不当に本人の財産を喪失させたりすることがないようにするため選任されます。

 

任意後見人が行うべき仕事の内容は、本人との間で決めた任意後見契約の中身で決まりますから、その内容は一人一人異なることとなります。
ただし、後見人ができるのは契約等の「法律行為」であり、身の回りの世話など「事実行為」は含まれません。

 

(弁護士村松いづみ)

(法律コラム・その他)「いじめ」についての責任

小学生や中学生など幼い子どもたちの「いじめ」による自殺があとをたちません。

いつの時代でも多かれ少なかれ、いろんな形での「いじめ」は存在しました。でも、今日ほど陰湿だったことはかつてなかったのではないでしょうか。学校教育のあり方を地域ぐるみで真剣に問う時期に来ているような気がします。

「いじめ」を受けてケガなどをすることも日常茶飯事に起きているようですが、そのような場合、法的には誰に責任を問えるのでしょうか。

まず、ケガをさせた「いじめっ子」本人は当然です。ただ、この子が小学生のようなまだ十分な判断能力がない場合には、親の責任も考えられます。なぜなら、親は、家庭内外を問わず、子どもの生活全般にわたって保護監督すべきであり、少なくとも他人の生命・身体に危害を加えることのないよう、常日頃から教育をしなければならないからです。

また学校の担任教師も、学校生活の中においては、他の子どもから危害を加えられる恐れのある子どもについては、その行動にきめ細かな注意を払い、危険を未然に防止する義務があると言えるでしょう。

そしてまた学校自体の責任も考えられるでしょう。

                                     (弁護士村松いづみ)

(法律コラム・その他)成年後見人の職務

認知症の高齢者や判断能力が不十分な人を不利益から守る制度として「成年後見制度」があります。

家裁は、後見開始を認めると、成年後見人を選びます。子どもや兄弟などの親族が後見人になることもあります。

後見人の主な仕事は、財産管理能力が不十分な被後見人に代わって、その財産を管理するというものです。

財産の管理とは、現状の維持だけでなく、処分する行為も含みます。例えば、印鑑・通帳の保管、介護サービス契約の締結、生活資金を捻出するための不動産の売却など多岐に及びます。
その前提として、後見人は、選任後速やかに財産を調査し目録を作成しなければなりません。
後見事務を処理するための費用は、被後見人の財産から支出することができます。
また、申立をすれば、家裁は報酬も決めてくれ、受領することができます。

                                     (弁護士村松いづみ)

(法律コラム・その他)成年後見制度

 

認知症の高齢者を狙って過剰なリフォーム工事契約を結ばせるなどの悪質な商法があとを絶ちません。
認知症の高齢者や判断能力が不十分な方は、詐欺師の手にかかると、大切な財産を簡単に取られてしまう危険性があります。

 

そこで、これらの人を不利益から守る制度が「成年後見制度」です。

 

本人や配偶者、4親等内の親族、市町村長などが家庭裁判所に申し立てることができます。

 

民法で定める後見制度には、「後見」(重度)、「保佐」(中度)、「補助」(軽度)に分かれており、それぞれ援助者として「成年後見人」「保佐人」「補助人」が選ばれます。通常は、親族が選ばれることが多いですが、弁護士などの専門家を選任することも可能です。
成年後見人は、本人に代わって、預貯金や不動産を管理したり、本人が生活する上で必要な契約を締結したりします。
本人が悪徳商法に騙された場合でも、その契約を取り消すこともできます。

 

(弁護士村松いづみ)

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