(法律コラム:離婚)不貞行為の慰謝料(「家庭の法と裁判」2017年10号より)
またまた国会議員の不倫がマスコミをにぎわせています。
あの元アイドルグループ・スピードのメンバーだった今井絵理子参議院議員と橋本神戸市会議員。
芸能人のAさんとBさんとの不倫であれば、国民には何の関係もありませんが、議員の場合、国民の代表者としてきちんと仕事しているの?デートのためのホテル代や新幹線代を政務活動費から出してるんじゃないの?など政治家としての資質に疑問を持ってしまいますよね。
それは、さておき。
「家庭の法と裁判」という雑誌の2017年10号に、「不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(1)」という論文が掲載されていました。
弁護士が書いたもので、平成27年10月から平成28年9月までの東京地裁での123件の裁判例を分析したもので、なかなか興味深い論文です。
まず、誰が裁判の当事者だったか。
原告は、妻が59件、元妻が25件、夫が18件、元夫が19件。
被告は、不貞行為の相手が97件。
不貞行為の慰謝料として、いくら請求したか。
請求額は、200万円から1500万円まであったようですが、300万円~399万円が40件と最も多く、次いで500万円~599万円が35件だそうです。
それに対して、判決は、いくらを認めたか。
100万円~149万円 23件
150万円~199万円 27件
200万円~249万円 18件
250万円~299万円 6件
「不貞行為の慰謝料はいくら位ですか?」と質問されることはよくありますが、判決では、おそらく300万円を超えることはあまりないものと思われます。
不貞行為の慰謝料に限らず、日本の慰謝料の金額は低いと言われていますが、この判決の認容額をみても、何十年もほとんど変わっていない、むしろ以前より低くなっているような気がします。
配偶者は貞操義務を負いますが、不貞行為の相手の責任は2次的という考え方が強くなっているのかもしれません。
(弁護士村松いづみ)