(法律コラム:離婚)「金使いの荒さ」「浪費」と離婚について

 

 

「金使いの荒さ」「浪費」を離婚や慰謝料の原因として主張したり、主張されたりすることは、割とよくあります。

 

でも、よくよく考えると、「金使いの荒さ」とか「浪費」って、一体、どのような行為を指すのか疑問に思う場合もあります。

ギャンブルや買い物などでサラ金から多額の借金をしたような場合、これが「金使いの荒さ」「浪費」だとして離婚原因にあたることはあまり異論ないでしょう。

でも、ギャンブルではなくても、趣味に多額の金を使うのは、どうでしょうか?

例えば、趣味に月5万円の金額を使うにしても、家計の収入が月100万円の場合と、月20万円の場合とでは、その評価は違ってきますよね。

 

ところで、夫婦破綻の原因は妻にあると主張する夫から「妻に家計を任せてきたが、全部使ってしまい貯蓄がない」「浪費だ」「何に使ったか説明せよ」などという主張が出されることがあります。

 

そもそも、家計に貯蓄する余裕などない場合があります。

また、客観的には余裕はあるかもしれないが、毎月、今ある金をすべて費消してしまうというのも、1つの価値観・人生観のような気がします(私の個人的な価値観には合いませんが・・・)。

ですから、夫婦の収入を毎月どれだけ費消するか、どれだけ貯蓄するかは、個人の価値観によって異なるので、夫婦の間で話し合い、話し合いによっても解決できないような場合には、それが「性格の不一致」として離婚原因にはなるでしょう。

でも、あくまで価値観の違いなのですから、慰謝料の原因にはならないと考えます。

但し、毎月全部を費消していたために金がなくなり、必要な時に、不相応な借金をせざるを得なくなったような場合には、慰謝料の原因となることもあるでしょう。

 

次に、妻に家計を任せていた夫から、自分にはこれだけの収入があったのだから、妻は財産をどこかに隠している(=ヘソクリをしている)はずだと主張されることがあります。

実際に「推測」して計算してくる夫もいます。

そして、そのような妻に限って家計簿はつけていませんから、なかなか何に費消したかを明確に説明することは困難です。

だから、夫は、かような主張をするのでしょうね。

 

これについて、家庭裁判所の裁判官が書いた「人事時訴訟ー停滞させない審理のヒント」という論文の中に、次のような文章があります。

「収入は比較的把握しやすいが、婚姻共同生活の支出を補足することは容易ではない。・・・前記主張をする側において、婚姻共同生活の支出が前記主張の額にとどまることを立証することが必要である。この点について、一通り主張立証とその反論反証をさせてみると、収入を預けていた側は、婚姻共同生活に必要な実際の支出額については疎いから、収入を預けられていた側の反論反証をしのぐ立証ができないのが通常である。そうなると、前記主張は採用できないということになろう。」

 

家計を全面的に任せていた夫が悪い、妻の家計管理が不審ならばもっと早く自分で家計管理をすべきだった、離婚時になって文句言うならきちんと額を証明しなさい・・・・ということですよね。

 

参考になります。