(法律コラム:労働)税理士・弁護士などにも失業給付 国が扱いを変更

 

弁護士と言っても、独立して事務所を経営(個人とか共同で)している人もいれば、他の弁護士に雇われて働く弁護士もいます。そのような弁護士を「イソ弁」と呼んだりします。また、最近では、企業に直接雇用される弁護士も増えています。

 

これまでは、弁護士・税理士・公認会計士・社会保険労務士・弁理士など、いわゆる「士業」の資格を持つ人が、労働者として勤務していた事業所を退職しても、雇用保険の基本手当(失業給付)の支給対象にはなりませんでした。

 

この取扱いが、2013年2月1日の受給資格の決定から変わりました。

 

きっかけは、税理士事務所を退職したのに「自営業」とみなされ失業給付を受給できなかった大阪府内の男性税理士が2012年12月25日国に提訴したことによります。

厚生労働省は、「士業の被雇用者が増えている背景を踏まえて」として、1月25日付けの職業安定局長通達で取扱いを変更しました。

 

受給できる要件は以下のとおりです。

①雇用保険の被保険者期間が、原則、離職日以前2年間に12か月以上あること

②就職したいという積極的な意思と、いつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態(失業の状態)にあること

 

弁護士の世界で言えば、弁護士を取り巻く経済環境や労働環境は厳しく、資格があれば生活できる時代ではなくなってきています。

失業した場合の救済策として歓迎です。

 

(弁護士村松いづみ)