(法律コラム:刑事)違法な身柄拘束に対する弁護人の役割
勾留決定とは、被疑者又は被告人を刑事施設に拘禁する裁判官又は裁判所の決定のことをいいます。
起訴前の被疑者は、検察官の勾留請求の日から10日間を限度として、拘置所ないし警察署に勾留されることになります(刑事訴訟法208条1項)。
ところで、毎日新聞の報道によりますと、近時、検察官の勾留請求に対し、勾留を認めない裁判所の請求却下決定が増加しており、2014年には、勾留請求却下数が全国で3000件を超えたとのことです。
上記のとおり、勾留決定がされると、現状では、勾留決定の日から10日間は原則として警察署などの刑事施設に身柄が拘束されることになります。
例外的に、例えば、被害者がいる事件で被害者との間で示談などが成立すれば、10日以内に釈放されることもあります。
そして、裁判官が「やむを得ない事由がある」(同法208条2項)と認めた場合には、検察官の請求により、さらに最大10日以内、勾留が延長されることがあります。
「やむを得ない事由」は、事件の複雑困難性、証拠収集の遅延ないし困難性などを前提として判断されます(最判昭和37年7月3日)が、実際には、安易に勾留延長が認められているのが現状です。
私が被疑者と接見した際に、勾留延長が安易に認められている現在の運用について説明すると、私が弁護してきた被疑者の一定数は、逮捕事実と被疑者が実際に行った行為にズレがある場合でも、早期に罪を認めてしまい、早く出ることを選択します。
しかし、自身の罪を認めた後、被疑者がそれまで勤務していた会社を解雇されてしまうケースも多々あります。
そこで、被疑者が「罪を認める」という選択を行う場合、私は、罪を認めることの被疑者への影響を説明します。
このような状況の下で、上記の報道のように、裁判所が検察官の不当な勾留請求を却下することが増えてきたことは評価されるべきです。
しかし、依然として、勾留の理由、勾留の必要性を検討すれば、本来認められない勾留決定、勾留延長決定はたくさんあります。
私は、弁護人として、今後も、裁判所に対して安易に身柄拘束を認めないよう働きかけていくつもりです。
弁護人として、裁判官の勾留質問の前に勾留に対する意見書の提出、勾留決定後の勾留決定に対する準抗告、勾留延長決定後の勾留延長に対する準抗告等、やるべきことはたくさんあります。
(弁護士 岡村政和)