(法律コラム:その他)書類の保存期間の「壁」と「あきらめない」
訴訟をしている時、自分の主張を裏付けるための証拠として様々な書類が必要となる場合があります。
通常は、他人名義のものを調べることは出来ませんが、申立を受けて裁判所が必要と認めれば、他人のものでも、裁判所から文書の取り寄せや内容の調査をしてもらうこともできます。
しかし、自分のものでも他人のものでも、ほしいと思う書類に保存期間があるものが存在します。
例えば、銀行の取引履歴であれば過去10年分しか取り寄せられないことが多く、医療カルテであれば最後の診察日から5年が経過すると「ありません」と言われることがあります。
別居してから10年以上経過している夫婦の離婚訴訟で、財産分与の関係で、別居時点での銀行取引の有無や残高などを調査しようとした時、裁判所も調査の必要性は認めましたが、銀行からは「記録が残っていない」という回答が返って来たりしました。
でも、
長い年月が経過しているからと言って、すぐにあきらめてはいけません。
地方の金融機関であれば、10年以上前の記録を出してくれる所もあります。
また、カルテについても、ずいぶん昔のものでも残している病院もあったり、またカルテ
全部ではなくても、患者の病名や入院履歴などだけは残している病院もありました。
訴訟で勝つためには、証拠は必要です。
「ダメもと」で調べてみましょう。
(弁護士村松いづみ)