(法律コラム:その他)「夫婦別姓」「再婚禁止期間」最高裁大法廷で弁論が開かれる

 

夫婦が婚姻届を出すと必ず同じ姓でなければならないとする民法750条と、女性だけが離婚後6ヶ月再婚ができないとする民法733条の2つの規定をめぐって、これらが個人の尊厳と両性の平等を保障する憲法に違反するか否かが争われた訴訟で、2015年11月5日、最高裁判所大法廷は、当事者双方の意見を聞く弁論を開きました。

 

最高裁大法廷で弁論が開かれたということは、これらの規定について、最高裁が何らかの憲法判断を示すことを意味しています。

早ければ、年内にも判決が下される見通しです。

 

1985年6月に日本が女性差別撤廃条約を批准してから既に30年が経過しています。

1996年2月、法務大臣の諮問機関である法制審議会は、同姓・別姓のどちらも選べる選択的夫婦別姓制度や再婚禁止期間の短縮を盛り込んだ民法改正案を答申し、法務省は同年と2010年に民法改正案を準備しましたが、政府与党内の根強い反対にあい、閣議決定さえ見送られてきました。

国連女性差別撤廃委員会は、これらの規定を含む民法の女性差別的規定を廃止するよう、何度も日本政府に勧告をしてきました。

しかし、2013年最高裁で違憲の判断が下った民法の非嫡出子の相続分差別規定と同様に、国は長年にわたり改正を怠ってきました。

 

1日も早く、違憲の判決が下されることを求めます。

 

(弁護士村松いづみ)