(法律コラム・離婚)離婚協議書の作成とその効力
離婚する場合、夫婦の間で、離婚後、金銭面で何も支払いを受けないような場合には、協議書の作成は不要かもしれません。
あえて協議書を作るのであれば、「お互い、離婚に関し、今後一切請求しない」という確認くらいですね。
しかし、財産分与や慰謝料を離婚後に一括あるいは分割で後払いで受領するような場合や養育費のように将来にわたって毎月受領するような場合には、約束の内容を文書にしておくことは絶対に必要です。
離婚協議書は特に様式があるわけではありません。
ただ、支払時期や支払い方法(銀行振込か否か)、分割払いの場合に何ヶ月分あるいは何回怠ったら一括で請求できるかなどを定めておくことは必要です。
でも離婚協議書を作成するだけで安心してはいけません。
協議書だけでも約束としては、もちろん有効です。
ただし、協議書だけしかないと、義務者が約束を破った場合には、権利者は、あらためて裁判を起こさなければなりません。
義務者が約束を破った場合、すぐに強制執行ができるようにするには、約束の内容を公正証書としておくか、家裁の調停で合意して調書を作ってもらうか、どちらかが最低必要となります。
夫婦の間で離婚の条件について合意ができた場合でも、1度、弁護士に相談されることをお勧めします。
(弁護士村松いづみ)