(法律コラム・離婚)離婚の慰謝料

離婚の際に考えられる金銭の請求の1つに「慰謝料」があります。
これは、精神的苦痛に対する損害賠償として支払われるもので、離婚の原因が不貞行為や暴力であれば、慰謝料を請求することができます。

ただ、離婚する場合、多かれ少なかれ精神的苦痛が伴うと思われますが、離婚すれば必ず慰謝料がもらえるわけではありません。
慰謝料は、離婚について主に責任のある一方配偶者から他方配偶者に支払われるべきものですから、性格の不一致や価値観の相違など、どちらが悪いとも言い難い場合には慰謝料はもらえません。

でも、自分だけの判断で「私の場合は、慰謝料は無理」とか「慰謝料がもらえる」などと決めつけないで、弁護士の意見を聞いてみることをお勧めします。

慰藉料の具体的な金額については、夫婦それぞれの有責性の程度、婚姻期間などによって事案毎に異なります。夫婦の間で、慰藉料の合意ができる場合であれば、その金額に上限はありませんが、裁判所が判決をする場合は、残念ながら500万円を超える慰藉料を認定することは滅多にありません。

慰藉料は、離婚の際の条件の1つとして話し合われることをお勧めしますが、離婚届を出してしまった後でも、3年以内であれば、請求できます。

                                     (弁護士村松いづみ)