(法律コラム・離婚)浮気調査について(その1)

 

離婚の相談を受けた時、「夫の浮気の証拠をつかむには探偵に頼んだ方が良いですか?」と尋ねられる場合がある。

残念ながら、弁護士や法律事務所というのは、テレビドラマとは違って、刑事事件の犯人を捜し出したり、尾行して浮気調査したりはしない。

 

妻がこっそり夫の携帯電話を盗み見て、彼女との間の「好き好きメール」などを入手していても、それだけの証拠だけでは、裁判官は、なかなか浮気を認定してくれない。

私は「主婦の勘」にはかなり信憑性があると思うが、裁判は「勘」だけでは勝てない。

「ラブホテル」に出入りする写真があればなあと思う事件はたくさんある。

 

私も長年、離婚事件を扱っているので、依頼者の妻たちが様々な工夫や努力によって夫の浮気の証拠を集めて来られるのには、本当に感心する。

だから、探偵に頼まなくても、それなりに証拠をつかめる方法のいくつかは知っているので、相談者や依頼者の方にはそのノウハウを提供している。

 

探偵に頼むかどうかは、金がかかることでもあるし、調査が成功するかどうかわからないことでもあるので、弁護士としては、相談者や依頼者の方の判断にお任せすることになる。

提携している探偵事務所もない。

ただ、探偵さんが、何をしてくれて値段がいくらか、それは1日なのか数日なのか、調査結果を書面で作成してくれるのかどうか等しっかり尋ねた上で契約しなさいね、とアドバイスすることにしている。

 

(弁護士 村松いづみ)