(法律コラム・その他)生活保護の申請は、口頭でもOKです。

 

生活保護の申請をする場合、役所にある申請書がないと申請できないと思っていませんか?

本来、申請というのは、その人の「意思」が相手に伝わればいいのですから、口頭でもできるはずです。

 

先日、京都府舞鶴市の生活保護申請に関する再審査請求で、口頭での申請を認める内容の厚生労働大臣の裁決が下されました。

 

この男性は、病気で働けないため、舞鶴市福祉事務所に生活保護を受けたいと伝えました。

しかし、福祉事務所は、申請書を渡さず、就労を指導。

男性がその後、医師の診断書を持参して再三足を運んだにもかかわらず、申請書を渡したのは、2ヶ月以上経ってからでした。

 

しかし、口頭の申請も認められるとする裁判例もいくつか出ています。(福岡地裁小倉支部平成23年3月29日判決、さいたま地裁平成25年2月20日判決)。

 

また、仮に申請書で申請する場合でも、役所が交付する申請書でなくても、必要事項が記載されている申請書であれば、それでもかまいません。

 

厚生労働省は、「申請は非要式行為であり、申請意思が明確なら口頭の申請も可能」と答弁しています。

行政がきちんと対応することを強く求めます。

 

(弁護士村松いづみ)