(最新法令:相続)改正相続法(その5)~遺言の保管制度の新設~
今回、遺言書の保管について、新たに「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(遺言書保管法)という法律ができました。
これにより、高齢化の進展等の社会経済状況の変化に鑑み、相続をめぐる紛争を防止するという観点から、法務局において、自筆証書遺言を保管する制度が新設されました。
自筆で書いた遺言については、遺言書が死亡後何年も経過した後に発見されて遺産分割協議がやり直しになったり、遺言書を見つけた人が破棄したり隠蔽したりしてしまって遺言が執行されないという危険もありました。
そこで、法務局が自筆証書遺言を保管する制度を設けます。
申請の対象となるのは、自筆証書遺言(民法968条)です(遺言書保管法1条)。
保管の申請は、遺言者本人が自ら出頭して行わなければなりません(同法4条6項・5条)。
遺言者は、遺言書の返還や閲覧を請求することができますし(同法6・8条)、相続人や受遺者などは、遺言者の死後、法務局に閲覧を申請できます(同法9条)。
また、法務局に保管されている遺言書については、家庭裁判所の検認(民法1004条1項)も必要ないとされていますので、相続人の負担もなくなり、速やかな遺言の執行が期待できます(遺言書保管法11条)。
この制度の施行日は、未定です。
公布の日(2018年7月13日)から2年以内に施行されることとされており、施行前には、法務局において遺言書の保管を申請することはできませんので、ご注意ください。
(弁護士村松いづみ)