(最新法令:労働)改正労働契約法

 

2012年8月3日、有期労働契約に関する労働契約法の一部改正案が成立しました。

 

その主な改正点は次のとおりです。

①有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(改正18条)

有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる。

 

②有期労働契約に対する判例法理である雇止め法理の成文化(改正19条)

有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、または、有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき合理的期待が認められる場合には、雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、有期労働契約が更新されたものとみなす。

 

③期間の定めのあることによる不合理な労働条件の禁止(改正20条)

 

しかし、今回の改正で、企業側が通算5年以上になる前に契約更新を打ち切り、雇止めを行う危険性が考えられます。

また、職場を6ヶ月以上離れれば、以前の契約期間は算入しない「クーリング期間」が導入されたため、間を空ければ何度でも短期契約を繰り返す抜け道にもなりかねません。

 

労働者としては、このような問題点も認識しつつ、職場での積極的な活用と実践が求められます。

 

(弁護士 村松いづみ)