(法律コラム:離婚・相続)家裁が変わる~新しい家事事件手続法のポイント(その1:申立書が相手方へ送付される)

 

2013年1月1日から、新しい家事事件手続法が施行されました。

 

これまで家庭裁判所で行われる家事事件の手続きについては、昭和22年に制定された家事審判法により定められていました。

しかし、その後、時代とともに我が国の家族をめぐる状況や国民の法意識が変化したことから、現状に適合した内容とするということで、全面的な見直しが行われ、昨年5月に家事事件手続法が制定されました。

 

ただし、この法律が施行される前に申し立てられた事件には、原則として適用がありません。

 

改正点は、たくさんあります。1度で説明することは困難ですので、今後このコーナーで少しずつお話していきたいと思います。

 

まず、大きく変わったのは、調停申立書や審判申立書の写しが相手方に送られるようになりました。

これまでは、相手方には期日の呼出状だけが送られてきましたので、申立人が何を求めているのかは実際に第1回期日に行ってみないとわからないということがよくありました。

申立書が送付されることによって、相手方もそれについて準備をして第1回の期日にのぞむことができるようになったわけです。

ただ、DVなどのため相手方に住所などを知られたくない場合には、別に記載方法がありますのでご相談ください。

 

調停中に提出する書面や資料は、すぐには相手方の目にはふれませんが、調停が不成立になって審判に移行するような事件の場合(例えば、婚姻費用分担請求や遺産分割など)には、原則として記録を閲覧したり、謄写したりすることが許されます。

よって、最終的には相手方の目にふれることがあるという前提で提出する必要があります。

 

(弁護士村松いづみ)