(最新法令:その他) 空き家対策特別措置法が成立
【空き家対策特別措置法】
11月21日の衆議院解散を控え、11月19日に合計12本の法律・条約が駆け込みで成立しました。
その中の1つに、空き家対策特別措置法(正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」)があります。増加し続ける空き家は、昨年10月現在で、全住宅の1割超にあたる820万戸にのぼり、防災、治安、衛生、景観等で地域住民に悪影響を及ぼしています。その対策のために、この法律案が制定され、衆参両院において全会一致で可決成立しました。この法律は、来年6月ころまでに完全施行されます。
【空き家についての情報収集】
市町村長は、この法律に規定する限度において、空き家への立ち入り調査ができるようになりました。
また、市町村長は、空き家の所有者等を把握するために固定資産税に関する情報を利用することが可能となりました。
【「特定空き家」に対する強制的な措置】
「特定空き家」とは、
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にある空き家のことをいいます。
市町村長は、この「特定空き家」に対し、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の指導・助言、勧告、命令を行うことができ、命令に違反した場合に罰則(50万円以下の過料)が科せられます。
さらに、措置命令に従わない場合、市町村長は、要件が緩和された行政代執行の方法により除却等の強制執行が可能となりました。
(弁護士 村井豊明)