(最新判例:労働)録音して業務命令違反 解雇は無効(東京地裁)
職場で上司との交渉や会話を無断で録音したことなどを業務命令違反に問われ、銀行を解雇された女性が解雇の無効を求めた裁判で、東京地裁は、2016年4月11日、「録音は自己防衛の手段と認められ、解雇理由とするのは酷だ」と判断し、解雇を無効とする判決を言い渡しました。
(2016年4月11日付け毎日新聞)
解雇・セクハラ・パワハラなどのような労働紛争の場合、書いた物などの証拠がない時に、「言った」「言わない」ということで、労働者が負けてしまうことも少なくありません。
そんな時、録音は証拠として有効で、弱い立場にある労働者が、裁判所などに自分の主張の正しさを認めてもらう手段としては、とても強い威力を発揮します。
以前、私がセクハラ訴訟に関わった時、被害者女性は、裁判を起こす前に、電話による上司との会話を録音にとり、裁判所に証拠として提出しました。
裁判所が使用者責任を認めることにとても有効でした。
上記の東京地裁の判決は、当然と言えるでしょう。
(弁護士村松いづみ)