(最新判例:その他)キャリーバッグを曳いて歩く時は、注意!(東京地裁)

 

キャリーバッグが広く普及している。

昔の弁護士ファッションと言えば、たくさんの書類を風呂敷に包み、その風呂敷を手に持って運んでいたものだ。

それが、今や、風呂敷がキャリーバッグに変わり、皆、スマートにコロコロと曳いて運んでいる。

 

でも、キャリーバッグを曳いている人は、周囲に無関心、不注意な人も多く、他人に迷惑をかけていることも少なくない。

そんな中で、事故が起こり、2015年4月24日、東京地裁は、キャリーバッグを曳いていた者の歩行者に対する不法行為を認めた(判例時報2267号より)。

 

原告は、大正14年生まれの高齢者。

駅構内を歩行中、転倒し骨折等の傷害を負った。

その原因は、被告がキャリーバッグを曳いて歩行していた際、すれちがった原告の足に接触したということであった。

他方、被告は、接触した事実はないとして争った。

 

判決は、事実関係を詳細に検討して、キャリーバッグが原告の足に当たったことを認定し、

「歩行者が、駅構内のような人通りが多い場所でキャリーバッグを使用する場合には、曳いているキャリーバッグが他の歩行者の歩行を妨げたり、それに躓いて転倒させることがないよう注意すべき義務を負う」と判示して、被告の不法行為責任を認めた(ただ、原告にも25%の過失を認めた)。

 

キャリーバッグを曳く時には、くれぐれも、横や後ろにも、注意してくださいね。

 

(弁護士村松いづみ)