(最新判例:その他)「別れさせ屋」契約は、適法(大阪地裁)

 

探偵業者が男女間の交際を終わらせるよう仕掛ける「別れさせ屋」が公序良俗に反し無効かどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪地裁は、11月9日、「契約が公序良俗違反とはいえない」と判断し、業者が依頼人女性に求めた報酬など約97万円の支払を命じました(2015年11月10日付け京都新聞朝刊)。

 

本年7月17日付けコラムで書きました「枕営業」というものがあることも知りませんでしたが、この「別れさせ屋」という仕事が存在することも知りませんでした。

テレビドラマの世界だけのことかと思っていました。

 

依頼人女性は、昨年9月、好意を寄せる男性の交際相手と考えていた女性を調査対象とする契約を業者と締結。

男性工作員が対象女性と連絡先を交換すれば着手金90万円を、別れさせるのに成功した場合に報酬45万円を払うという契約内容でした。

業者は、対象女性に近づき、電話番号を交換。

しかし、依頼人女性は、その後、対象女性と好意を寄せる男性が実際には交際していないと気づき、工作の中止を求めました。

 

判決は、「倫理的な非難の余地は十分ある」としましたが、対象の女性が独身だった上、工作の過程で性的関係を持つなどの方法も予定しなかったと指摘し、「実際に関係が終了するかは対象者の意思次第で、業者が別れさせる目的を達成できる可能性が高いともいえない」と判断し、本件は、公序良俗違反にはならないと結論付けました。

 

ちなみに、第一審の大阪簡裁は、「対象者の恋愛感情をもてあそび、人格的利益の侵害」として契約自体の公序良俗違反を理由に請求を棄却していました。

 

「別れさせ屋」という仕事の内容も、色々あるようですね。

人の心をもてあそぶようで、ちょっと怖いですね。

でも、元恋人によるストーカーやDV夫など、別れたくても、なかなか別れられないケースもたくさんあるので、このようなことも仕事として成り立つのでしょうか。

 

(弁護士村松いづみ)