(最新判例:その他)「プラトニック不倫」でも損害賠償義務あり(大阪地裁)

 

一線を超えない「プラトニック」な関係を貫いても、やはり代償は必要でした。

 

夫と親密な関係になり精神的苦痛を受けたとして、大阪府内の女性が、夫の同僚女性に220万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は、本年3月、44万円の支払いを命じました(2014年4月9日付け産経新聞)。

 

配偶者が浮気(不貞行為)をした場合、浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。

その場合の「不貞行為」とは、自由な意思にもとづいて配偶者以外の異性と性交渉を行うことを言うとされています。

では、性交渉にさえ至らなければ、損害賠償義務はないのでしょうか。

 

手をつなぐ、キスをする、抱き合う、頻繁にデートをする・・・このような行為は、どうでしょうか?

 

上記の大阪地裁判決は、夫と同僚女性の肉体関係こそ認定しませんでしたが、「逢瀬」を重ねたことを「社会通念上、相当な男女の関係を超えたものと言わざるをえない」と指摘し、損害賠償を認めたようです。

 

おそらく裁判官は、この二人の関係はかなり怪しいと思ったのでしょうが、「黒」と認定するまでの証拠がなかったことから、「グレー」の判決をしたんでしょうね。

 

私たち弁護士は、「不貞行為」までに至らない行為を「不適切行為」と呼んだりしています。

たとえ、プラトニックであっても、代償は伴うものですね。

 

(弁護士村松いづみ)