(最新判例)婚外子区別 違憲の疑い(東京地裁)
嫡出子と非嫡出子とを区別する取り扱いについて、また判決が出ました。
出生届の記載で、嫡出子か非嫡出子(婚外子)かの区別をするよう義務付けた戸籍法の規定の適否が争われた訴訟の判決で、東京地裁は、4月26日、原告の国家賠償請求自体は認めず敗訴としましたが、規定については「差別を助長するとの見方があり、撤廃しないことに憲法上の疑義がある」との判断を示しました(2012年4月27日付け京都新聞朝刊)。
当事務所の「(法律コラム:相続・遺言)非嫡出子の相続分差別」の項でも紹介しましたが、嫡出子か否かについては子ども自身には責任はなく、現在では、合理性がないという意識が高まっています。
判決は、戸籍法の規定について「出生届に非嫡出子かどうかの別を表示する必要性は高くなく、記載義務付けが合理的とは言い切れない」と指摘。親の婚姻の有無で子どもの法定相続を区分する民法の規定も「子どもが自分の意志や努力で変えられない事柄に基づいており、違憲の疑いが生じている」と判示しました。
(弁護士村松いづみ)