(法律コラム:離婚)離婚理由と「賞味期限」

 

離婚事件の中で、夫から「妻の家事」について、色々と批判した主張が展開されることがあります。

妻の家事のやり方について、夫から細かいこと(夫本人はそう思っていないかもしれないが)をたくさん言われると、私などは、そのくらいのことしか離婚理由がないんやと思ってしまいます。

 

夫から批判される家事のやり方の中で、目立つのが「賞味期限」。

「冷蔵庫の中に、賞味期限切れの食品がたくさんある!」

「妻は、冷蔵庫の中の物すら管理できない」

 

こんな話をすると、きっと多くの人が「うち冷蔵庫の中にも賞味期限切れの物なんて、たくさんあるわ」と仰るのではないでしょうか。

 

冷蔵庫に賞味期限切れの食品があることを、夫自身が知っているならば、自分でなんとかすればいいでしょ!と言いたくなります。

 

そもそも、賞味期限が過ぎた食品はすぐに食べられなくなるものでしょうか?

2016年4月23日付け朝日新聞「be」に記事がありました。

 

消費期限は、期限が過ぎると急速に品質が劣化して腐る恐れがあるため、「期限が過ぎれば食べないほうがいい」。

他方、賞味期限は、「品質を十分に保てる」という目安。

期限が過ぎても品質が急激に落ちるわけでもなく、消費者の判断で食べても問題ないとされています。

 

妻の五感を信頼しない夫の方こそ、「消費期限切れ」で、妻からポイですよ。

 

(弁護士村松いづみ)