(最新判例:離婚・その他)面会拒否で親権者変更(福岡家裁)

 

離婚などで子どもと離れて暮らす親が、子どもとの面会交流を求め、家裁に「面会交流」の調停を申立てるケースは年々増加しています。

2013年には初めて1万件を超え、10年前と比べると倍増しています。

2014年の申立件数も1万1312件でした。

 

そんな中、離婚して長男(7歳)と別居した40代の父親が、親権者である母親が拒否するため長男に会えないとして、親権者の変更を申し立てた家事審判で、福岡家裁が、昨年12月4日付けで父親の申立を認め、親権者を父親に変更する審判を下しました。

(2015年2月23日YAHOOニュース)。

 

家裁は「母親を親権者とした前提が崩れている。母親の態度の変化を促し、円滑な面会交流の再開にこぎつけることが子の福祉にかなう」と判断しました。

 

親権者の変更は、子どもに対する虐待などが理由で認められるケースはありますが、面会交流拒否を理由に親権者の変更を認めたのはとても珍しいと思われます。

 

面会交流も親権者変更も、常に子どもの立場に立って慎重に判断されるべきです。

 

(弁護士村松いづみ)