(最新判例:交通事故)自転車事故に高額賠償判決(神戸地裁)

 

 

2008年9月、当時小学5年生だった少年が自転車で女性(67歳)に衝突し、その女性は意識が戻らず寝たきり状態となったという事故について、7月4日、神戸地裁は、「事故を起こさないよう子どもに十分な指導をしていなかった」と判断。少年の母親に対し、被害者の女性に約3250万円、保険会社に約6000万円の賠償金を払うよう命じました。

 

事故は、少年が、マウンテンバイクで坂を時速20~30キロのスピードで下っていた際、女性に衝突したものです。

 

判決は、「少年の前方不注意が事故の原因」と認定した上、母親が監督義務を十分に果たしていなかったと判断しました。

 

未成年の子どもが事故を起こした場合、その子ども本人に責任能力を認めるのか、親に責任を認めるのかが争われることがあります。

本件は、当時小学校5年生ということですから、11歳くらいですね。

12歳以上になると、未成年であっても、子ども本人に責任能力が認められることが多いようですが、裁判所も一概に年齢だけでは決めていないようです。

 

自転車も加害者になることが多く、本件のように、事故が重大で、高額な賠償金が命じられる場合もあります。

注意しましょう。

 

なお、判決が保険会社にも約6000万円の賠償を払えと命じたのは、おそらく被害者側が人身傷害特約に加入されていて、そこから6000万円の支払を受けたため、保険会社が加害者に求償していたからではないかと思われます。

 

(弁護士  村松いづみ)