弁護士村松いづみのblogマチ弁の日々

また男性差別が問われる!公務災害・遺族補償年金

京都地裁で5月、顔の傷に関する労災後遺障害等級表の男女差を違憲とした判決を勝ち取って、もう2ヶ月が経過しようとしているが、まだ未支給のまま。6月に厚生労働省に交渉に赴いたが、どのような基準を適用するかノラリクラリのお役人答弁。

そんな中、大阪で、妻(教諭)の自殺が公務災害と認められた夫が「遺族補償年金の受給資格に男女差があるのは憲法違反」として近く行政訴訟を起こす、という報道を目にした。

これまで夫(教諭)の過労死で公務災害認定を勝ち取った事件は何件か扱ったが、妻の死亡事案は経験がなく、遺族補償に男女差別があることを知らなかった。

夫の死亡が公務災害と認定されると、妻には年齢を問わず夫の平均給与額の153~245日分の遺族補償年金が毎年支給されるが、他方、妻が死亡した場合には、夫の受給資格は60歳以上で、それ以外は妻の平均給与額の1千日分にあたる一時金だけの支給となるとのこと。

国は、現時点ではこの男女格差を見直す予定はないとしているようだが、いったいどのような「合理性」があると主張するのだろうか。

京都判決に続く、このような動きに対し、国もあらゆる制度から不合理な男女差を解消するよう根本的に見直すべきである。

 

親の介護と相続(寄与分について)

高齢化社会の現在、子ども自身も年老いていく中での親の介護は大きな社会問題だと思われます。子どもの中で、実際介護に携わる人とそれ以外の人とでは、その負担には大きな差があると推測され、親の死後、遺産分割でモメることが少なくありません。

遺言がない場合、子どもの法定相続分は平等です(民法900条4号)。

ただ、亡くなった親の財産の維持や増加に特別の貢献があった相続人に対しては、「寄与分」が認められ、その分、相続財産が増えることとなります(民法904条の2)。

とは言っても、はたして、「寄与」と言えるかどうか、それが「特別な寄与」かどうか、財産の維持・増加があったかなど難しい要件があります。

いずれにしても、遺産分割をめぐってモメるようであれば、家庭裁判所で話し合われることをお勧めします。

人生の「旬」

毎日新聞の日曜日の別刷「日曜くらぶ」に、心療内科医の海原純子さんが「心のサプリ」を連載されている。7月18日号は「人生の『旬』」。

「旬」という言葉は、「魚介や果物などの最も味のよい出盛りの時期」という意味で使うのがほとんどだが、海原さんは「物事を行うのに最も適した時期」という意味で「旬」という言葉を使おうと提案する。

壮年から老年にさしかかると、自分はもう「旬」ではない、と思いがちだが、50代には50代、60代には60代にしかできないことがある。今しかできないこと、自分にとっての「旬」を見つけることが幸せのヒントと海原さんは言う。

人生の旬は、その時その時一度きり。

私も人生の旬を見つけたいと思う。

離婚を考える時に

夫にとっても妻にとっても、一生、離婚なんて思ってみることがなければ、これほど幸せなことはないかもしれませんね。でも、2009年の離婚は25万3000組。これは、約2分に1組の夫婦が離婚している計算になります。

私の所にもたくさんの離婚に関する相談が寄せられ、女性にとって離婚後の生活が非常に厳しいという現実を考えると、離婚に関する知識も頭の片隅に置いてもらえば、と思います。

離婚にとって様々な問題が生じますが、その中で特に問題となるのが、子どものこと(親権者・養育費)と財産的なこと(財産分与・慰謝料)です。

離婚で一番犠牲になるのはなんと言っても子どもです。しかし、だからと言って、愛情の冷めた形だけの夫婦関係の中では、決して子どもは幸せにならないでしょう。親権が争いとなった場合、妻が子どもを育てていれば、多く場合妻の側に親権が認められています。

また夫婦二人で築きあげた財産は、たとえ名義が夫であっても、妻の貢献した分を正当に評価して要求することができます。

離婚について色々知りたい時や夫婦の間で話し合いができない時など、お気軽にご相談ください。

京都も最賃が生活保護を下回る

厚生労働省は、7月14日、最低賃金で働くよりも生活保護での収入が多い「逆転現象」が12都道府県で起きているとの調査結果を発表し、その中に京都も入っていました。

普通、賃金は雇う人と雇われる人との話し合いで決まるわけですが、かと言って、お互いが納得しさえすれば、いくら安くてもかまわないというわけではありません。

「最低賃金法」という法律があって、雇い主は最低これだけの賃金は支払わなくてはならないという枠を定めており、これに違反した賃金しか支払っていない雇い主は差額を支払う義務があることはもとより、罰則も課せられます。ちなみに京都の最低賃金は、時給729円。

他方、生活保護の水準というのは、憲法25条が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するというのが建前です。それなのに最賃での生活が生活保護より低いって、いったいどういうことなんでしょうか。

もちろん最賃に合わせて、生活保護水準を下げるなんて話は絶対にナンセンス!最賃を早急に引き上げることが求められています。

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