弁護士村松いづみのblogマチ弁の日々

女性弁護士の法律コラム

神戸家裁尼崎支部に行って来ました

 

(女性弁護士の法律コラム NO.251)

 

今日6月16日は、梅雨の中休みでカンカン照りの暑い日でした(マスクしていると、やはり暑いですね)。

コロナのため、ずっと事務所周辺をウロウロしていただけでしたが、今日は、JR京都駅から電車に乗って、神戸家裁尼崎支部まで行って来ました。

 

 

 

遺言書の検認手続があったからです。

 

遺言者が亡くなった後に自筆証書遺言が発見された場合や生前に自筆証書遺言の保管を頼まれていたような場合、遺言者が亡くなると、すみやかに家裁で遺言書の検認手続を行わなければなりません(民法1004条1項)。

検認手続では、裁判所がコピーをとることにより、後で遺言書が偽造されたり変造されたりすることを防止することを目的としています。

ですから、遺言書の有効・無効や、本人が書いたものかどうかなどを決める手続ではありません。

検認の期日は、家裁から相続人全員に通知が届きますが、出席は義務ではないので、出席するかどうかは、各相続人の自由です。

検認が終わると、家裁は、検認調書を作成するので、その謄本を申請すれば、手続の概要や遺言書の内容を知ることもできます。

 

今日は、申立人(遺言の保管者)は別の人だったので、私は、相続人の代理人として出席しました。

 

神戸家裁尼崎支部は、もうずいぶん前に、離婚訴訟で通ったことがありました。

JR立花駅で下車して、立花商店街を通り抜け、駅から10分位の所にあります。

庁舎は、以前とは違って新しく建て替えられていました。

暑い1日でした。

 

セクハラ被害者、伊藤詩織さんの勇気に勝利判決が!

 

(女性弁護士の法律コラム NO.250)

 

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏から2015年4月に性的暴行を受けたとして損害賠償を求めた裁判の判決言渡しが2019年12月18日にありました。

東京地裁は、伊藤さんの主張を全面的に認め、「合意のないまま性行為に及んだ」として、山口氏に対し330万円の損害賠償を命じました。

山口氏が伊藤さんに起こしていた名誉毀損の裁判は棄却されました。

 

1989年に日本で初めてセクシュアルハラスメント訴訟が福岡で提訴されました。

その後、セクハラに関する法律もできましたが、29年経った今も、セクハラによる被害は後を絶ちません。

伊藤さんは、自らの性的被害を公表し、実名で顔を見せて、被害者を取り巻く環境も含め、社会に対し問題提起を行いました。

そして、それが、同じく被害を受けた女性たちも声を上げる「#MeToo」の運動へ広がっていきました。

 

それにしても、昨日から腹立たしいのは、「私は法に触れる行為は一切していない」「(性被害者は)笑わない」「すぐに控訴する」などと述べる山口氏の会見です。

加害者男性が必ず述べる言葉が「合意があった」「合意があったと思っていた」です。

そして、性被害を受けた者は、いつも下を向いて泣いていなければならないのでしょうか。

 

更に、伊藤さんの事件で忘れていけないのは、裁判所が逮捕状を発布したにもかかわらず、それが警察の上からの圧力で取りやめになったということです。

 

2015年4月3~4日にかけて事件が発生し、伊藤さんは9日には高輪署に相談し、30日には告訴状が受理されました。

その後、東京地裁は山口氏の逮捕状を発布したため、高輪署は成田空港で帰国する山口氏を待ち構えていました。ところが、当時警視庁刑事部長だった中村格(いたる)氏(現、警察庁長官官房長)が「本件は本庁で預かる」として、急遽、逮捕が取りやめになってしまいました(週刊新潮2017年5月25日号)。

逮捕状が発行されているのに、その執行がストップとなるのは異例のことです。

この問題は、過去、国会でも取り上げられ、「『準強姦罪逮捕状執行停止問題』を検証する超党派の会」がヒアリングを行っており、その中で、中村氏はこの事件の一件記録を読まないまま執行停止を命じたことが明らかになっています。

中村氏は、警視庁刑事部長になる前、2015年3月まで菅義偉氏の秘書官を務めており、安部首相や菅官房長官、中村氏と懇意だった山口氏が官邸に助けを求めたのではないかのマスコミ報道もあるようです。

 

山口氏が裁判で争いを続け、声高に自分の言い分を言えば言うほど、自身はもっと墓穴を掘り、「#MeToo」運動は更に盛り上がっていき、日本における被害女性に対する後進性がもっと浮き彫りになるのではないでしょうか。

 

 

 

 

反社会的勢力とは

 

(女性弁護士の法律コラム NO.249)

 

安倍首相主催の「桜を見る会」が国会で問題となっています。

私たちの税金を使って、自分の後援会の人たちをたくさん招待しているのだから、説明する義務・責任があるのは当然です。

招待者名簿も廃棄して、これもまた、うやむやにするつもりなんでしょう。

「私物化」もいい加減にしてほしい!と思います。

 

ところで、「桜を見る会」に「反社会勢力」が招かれていた問題で、菅官房長官は、定義はないと説明しました。

私がたまたま観たテレビのワイドショーの司会者も「概念があいまい」というようなことを言っていました。

 

でも、実は、国の正式な文書で、「反社会的勢力」は定義されています。

 

それは、2007(平成19)年6月19日付けで発表された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」と題するものです。

この指針は、政府が閣議決定で設けた犯罪対策閣僚会議の幹事会が「申合せ」としてとりまとめたものです。

 

この指針には、「反社会的勢力」は、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である」ときちんと明記されています。

 

「反社会勢力とは 法務省」などという検索ワードを入力すれば、ヒットとしますので、ご覧ください。

 

また、このような反社会勢力によって国民が被害に遭っているにもかかわらず、西村副官房長官の「反社会的勢力のみなさま」という発言も、許しがたいものです。

 

きちんと責任を追及していきましょう。

 

「おひとりさま」支援における弁護士の役割(業務改革シンポジウム)

 

(女性弁護士の法律コラム NO.248)

 

9月7日土曜、35度を超える残暑厳しい京都市内で、日本弁護士連合会主催の「弁護士業務改革シンポジウム」が開催され、全国から弁護士が集まった。

場所は、同志社大学今出川キャンパス。

弁護士業務に関わる分科会が午前と午後合わせて11あったが、私は、午後2時から5時までの「『おひとりさま』支援における弁護士の役割」という分科会に参加した。

 

 

 

日本の総人口1億2671人のうち27.7%が65歳以上である(2017年)。

また、単独世帯中、65歳以上の単独世帯は、2015年現在32.6%を占めている。

私の依頼者の中にも、高齢で一人暮らしの方が少なからずおられる。

これまでのように単に「遺言」を書いて死後に備えればすむというような時代ではなく、「おひとりさま」は、今現在を一人で生きていくのに様々な問題を抱える可能性がある。

また、私自身としても遅かれ早かれ歩む道でもある。

そんな自分の人生と仕事との双方の関心から、この分科会を選んだ。

 

会場はほぼ満席。

 

 

まず、元朝日新聞論説委員の川名紀美さんから「ひとりで生きる、みんなで活きる~友だち近居、11年の現実」と題する基調講演があった。

川名さんは、一緒に住める女性を募り、集まった7人で勉強会を重ね、2008年9月から兵庫県尼崎市の新築マンションの中で「友だち近居」生活を送っている。

このことは、NHKでも放映されたことがあり、私もたまたまその番組を観ていた。

同世代の「おひとりさま」が同じマンションのそれぞれの部屋で生活し、互いに行き来したり、定期的に勉強会やイベントを開くというのは、理想的な生活のように感じていた。

但し、「互いの介護はしない」というのが約束事。

それでも、気にかけてくれる人が近くにいるというのは心強い。

健康等の理由で、互いの関係に変化があるのはやむを得ない。

 

次は、弁護士と社会福祉協議会の方からの実践報告、それに続きパネルディスカッション。

任意後見契約は、認知症等によって判断能力が低下した時点で効力が生じるものであるが、それまでの期間はどのような「見守り」契約ができるか、身寄りの無い人の入院時の身元保証契約はどうするか・・・「おひとりさま」が抱えるであろう問題点に弁護士としてどこまでどのような支援ができるか、どこの機関などと連携すれば良いかなどが紹介された。

 

とても勉強になった分科会だった。

 

 

働く高齢者の労災が増えている

 

(女性弁護士の法律コラム NO.247)

 

政府は、70歳までの雇用確保を努力義務として企業に課す方針を打ち出しましたが、他方、厚生労働省が2019年5月17日発表した18年の労災事故のうち、60歳以上は全体の26.1%に達しました(10年前は18.0%)。

65歳までの定年延長や全国的な人手不足を背景に、働く高齢者が増えていることが原因として考えられます。

(2019年5月18日朝日新聞朝刊)。

 

先日も、飲食業で働く友人が職場で滑って転倒し身体を強打したと言っていました。

幸いケガはなかったとのことで安心しましたが、私自身の転倒事故や、その後リハビリを受ける中で出会った人達の話を聞くにつれ、日常生活の至る所に危険はひそんでおり、過信は禁物、他人事ではないと思っています。

 

企業には、高齢者でも安心して働くことができる職場環境を作ることが求められています。

 

なお、高齢者であろうと、非正規雇用であろうと、仕事でケガをしたり病気になった時には、労災保険が適用となります。

使用者から「うちは労災保険に加入していない」と言われても、労災保険は強制適用ですから、申請しましょう。

 

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