(最新法令:相続)改正相続法(その3)~金融機関の「仮払い制度」創設~

 

現在、被相続人の預貯金口座は、金融機関がその死亡の事実を知ると、「凍結」されてしまい、払い戻すには、相続人全員の同意が必要です。

そのため、葬儀費用や負債の支払い、生活費など、当面すぐに必要な金が下ろせなくて困ったというケースが非常に多いと思います。

そこで、今回の改正では、遺産分割前であっても、相続人が預貯金の払い戻し請求ができる2つの方法が創設されました。

 

1、家庭裁判所への保全処分を利用して払い戻す方法

 

家裁に遺産分割の審判又は調停の申立を行い、これに合わせて仮払いの申立をする方法です。

負債の返済や生活費など、裁判所が必要と認めた場合には、遺産に属する預貯金の全部又は一部を仮に取得することができます。

ただ、裁判所への申立が必要なため、費用や時間がかかります。

 

2、家庭裁判所の判断を経ないで払い戻す方法

 

遺産に属する預貯金のうち、各口座ごとに、以下の計算式で求められる金額(但し、上限額があります)については、他の相続人の同意がなくても、単独で払い戻しをすることができます。

 

(計算式)

相続開始時の預貯金債権の額×1/3×当該払い戻しを受ける共同相続人の法定相続分

 

この方法だと、裁判所の手続きが不要で、直接、金融機関の窓口で手続きができますので、簡便ですね。

 

3、施行日は未定です。改正法公布の日(2018年7月13日)から1年以内に施行されます。

 

(弁護士村松いづみ)