(法律コラム:借地借家)自殺、殺人、孤独死等のあった物件

京都市内の住宅の床下に、

ブルーシートにくるまれた2人の遺体があるのを、

シロアリ駆除業者が発見したとの報道がありました。

 

遺体をシロアリ駆除業者が発見?なぜ?

と思って報道を見たところ、どうやらその物件に

現在住んでいるのは全く無関係の人。

以前その物件では集団自殺が起きており、

今回の遺体も関連するものと思われるところ、

現在の入居者は、それ以降に入居した人で、

遺体など全く知らなかったということのようです。

 

さて、この事件の真実についてはさておき、

このように、過去に自殺や殺人、孤独死などがあった物件について、

全く知らずに売買、賃貸してしまった場合、

契約の解除や損害賠償を求めることはできるのでしょうか。

 

民法には、瑕疵担保責任という規定があり、

売買などの目的物に「瑕疵(かし)」がある場合、

契約を解除したり損害賠償を請求することができると定められています。

自殺や殺人、孤独死などがあったことは、

大多数の人が嫌がるような事実であることから、

「心理的瑕疵」といわれ、売主・貸主側に告知義務が課せられます。

告知義務に違反して売却・賃貸した場合は、

瑕疵担保責任に基づいて契約を解除したり、

損害賠償を請求することができます。

 

冒頭に書いた事件の場合はどうだったのでしょう。

遺体があるなんてことは誰も知らなかったのであれば仕方ないのでしょうが、

集団自殺があったとすれば絶対に告知義務が発生しているはず。

そもそも賃貸なのか売買なのかも分かりませんが、

それを告知されずに住んでいたとすれば・・・。

 

この告知義務は、自殺等の発生後長期間経過したり、

入居者が入れ替わったりすると課せられない場合もあるのですが、

個人的には十年経とうが二十年経とうが、

あまり酷い状態で人が亡くなった物件に住むのはやっぱり嫌ですね・・・。

 

(弁護士 日野田 彰子)