(最新法令:相続)改正相続法(その2)~配偶者保護のための持戻し免除~

 

相続における「持戻し」というのは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、現行民法にはその規定があります。

 

「持戻し」とは、被相続人から遺贈や生前贈与によって特別に利益を受けた相続人があった場合には、相続財産にその特別受益の金額を加えた上で、それぞれの相続分の算定を行うとするものです(民法903条)。

 

ただし、被相続人が、この「持戻し」をしなくてもよい旨の意思表示をしていた場合には、この持戻しは免除されます(民法903条3項)。

 

今回の改正では、婚姻期間が20年以上である夫婦間における居住建物やその敷地の遺贈や生前贈与については、民法903条3項の持戻し免除の意思表示があったものと推定し、遺産分割においては、原則として、その居住用不動産の価額を特別受益として扱わず計算することができることになりました。

 

つまり、20年以上結婚していた配偶者に居住用不動産を贈与していた場合には、その不動産を遺産分割の対象の含める必要はないので、配偶者はそれ以外の預貯金などの財産についても多く相続できるようになります。

 

配偶者を保護するための方策です。

 

施行日は未定で、公布の日(2018年7月13日)から1年以内に施行されることとされています。