(最新判例:交通事故)「逸失利益」定期払いが可能に(最高裁)

 

交通事故で重い後遺障害が残ったような場合、被害者は将来得られたはずの収入に相当する「逸失利益」を加害者側に求めることができます。

本来、将来発生する損害ではありますが、これまでの実務や判決では、示談や判決の時に一括して賠償されていました。

この場合、将来得られる利益分を現在先払いしてもらうわけですので、その間の利息分は控除されます(これまでは年5%、2020年4月からは年3%)。

一括払いは、まとまった金額を早い段階で受け取ることができるメリットはありますが、その後に障害が重くなっても原則としては増額できないなどのデメリットもありました。

 

そこで、2020年7月9日の最高裁判決は、月1回などの定期的な支払も認められるという初めての判断を下しました(2020年7月10日付け京都新聞朝刊)。

 

最高裁は、時間の経過で障害の重さや賃金水準が変わり、当初の逸失利益の算定額と実際の損害額が大きくかけ離れることがあると指摘し、こうした変化に対応できるよう、定期いを被害者側が求めた際は、認められるべきだとしました。

 

また、途中で被害者が亡くなっても、遺族らに対し、約束の期限まで定期払いを続けなければならないとも指摘しました。

 

ただ、定期払いにもデメリットもあります。

将来まで確実に支払われるかどうかのリスクがあることや、金額の変更を求めるたびに保険会社など加害者側とやりとりをしなければなりません。

 

いずれにしても、被害者が一時金払いか定期払いかを選択することができ、被害者救済の道が広がったと言えるでしょう。