(最新判例:その他)同性同士の「事実婚」に法的保護(宇都宮地裁真岡支部判決)

 

長期間同居し、米国で結婚した同性パートナーの不貞行為をきっかけに関係が破綻したとして、30代女性が約630万円の損害賠償を求めた訴訟で、宇都宮地裁真岡支部は、2019年9月18日、2人は「事実婚(内縁)」に準ずる関係だったとし認定し、元パートナーの被告女性に慰謝料など110万円の支払いを命じる判決を言い渡しました(2019年9月19日付け京都新聞朝刊)。

 

判決は、事実婚は男女間を前提にしてきたが、諸外国で同性婚が認められ、日本の自治体が同性カップルを公的に認証する制度を作るなどの社会情勢を踏まえ、「同性カップルでも一定の法的保護を与える必要性は高い」と判断しました。

その上で、実態から事実婚を同視できる関係であれば、不法行為に伴う法的な保護が受けられると指摘しました。

 

本件では、約7年間同居し、米国で結婚証明書を取得していることから、「男女間の事実婚と何ら変わらない実態を有している」と認定しました。

 

また、憲法24条については、婚姻を「両性の合意のみに基づく」としているのは「憲法制定当時は同性婚が想定されていなかったからに過ぎず、同性婚を否定する趣旨とまでは解されない」と判断しました。

 

ただ、法律上、同性婚ができないため、男女間に認められる法的保護の利益とは違いがあるとして、慰謝料などが110万円になったようです。

 

同性カップルについて、初めて事実婚に準じて一定の法的保護を与えた司法判断で、性的少数者の人権を尊重しようという近年の流れに沿った判決と言えるでしょう。

 

(弁護士村松いづみ)